実は大学に入学してすぐの頃は、マスメディアの仕事に憧れていました。テレビ局とか出版社とか、広告代理店ですね。(今考えると狭き門です)

教員免許を取得するための教職課程を受講したのも、潰しが効かないイメージのある文学部に進学しようと決めたとき、「何か資格を取得しなさい」と母に言われたから。最初は教員になりたいなんて微塵も思っていませんでした。

そんな私が始めたのが塾講師のアルバイト。大学1年生の時、オープニングスタッフとして始めたのですが、これが見事にハマってしまい…。スタッフ同士の仲が良かったのも楽しかった理由のひとつですが、子供たちが懐いてくると可愛くて可愛くて…。

定期的に生徒たちに講師に関するアンケートを書いてもらっていたんですが、そのアンケートに上から下まで全ての項目に私の名前を書いてもらった時は本当に嬉しかった。(教え方がわかりやすいとか、元気な挨拶ができているとか、さまざまな質問項目に答えてもらうんです)

勉強を教えること自体も楽しかった。成長や未来に貢献できている感覚をダイレクトに実感できるのがやりがいにつながっていました。飲食店のアルバイトは辛くて2〜3ヶ月しか続かなかったのに、トータル3年続いた塾講師のアルバイトは、まさに天職だと思いました。

しかし塾業界は夜の仕事。女性が長く働けそうにないイメージがありました。ビジネスの世界なので、生徒数や授業のコマ数のノルマを必死にこなそうとして疲弊する社員さんの姿も見てきました。

「教育の仕事はビジネスではなく、公教育で関わりたい」そう思った私は、公立の学校で働くことを目指します。